HSAは聞いたことがありますか?
アメリカで健康保険を検討された方なら耳にしたことがあるはず。
今回は、そのHSAの魅力と注意点を調べに調べまくって、まとめました。
わが家も投資用、そして医療費用に、HSAの口座を持っています!
【アメリカで投資】HSAの活用法!
HSAってそもそも何?
税優遇の投資口座であり、医療費用の貯蓄口座である
そもそもは医療費用のために用意された貯蓄・投資口座であり、
401kやTraditional IRAと同じく、HSAに入れた金額は、
稼いだ年収から引かれて所得税が安くなるため、節税になります。
しかし、節税にならない州もあるので下記の方に注意点として書いています。
お金を入れている間はお金が増え続ける上に、
増えた分には税金を支払わなくても良いので、素敵なリタイアメント投資口座であり、
医療費用としてお金を引き出すときには税金がかからない、貯蓄口座です。
医療費用に使うお金なら、いつ引き出してもペナルティなし
認められた医療費用(Qualified Medical Expenses)であれば、20%のペナルティなしで、HSAのお金をいつでも引き出すことが可能です。
医療費ではないモノのために引き出すと、20%のペナルティ+税金がかかるのでダブルチャージされます!
毎年リミットで入れられる金額は決まっています
2021年は独身の方で3600ドル、家族で7200ドルです。
55歳以上の方であれば、それぞれさらに1000ドル増しです。
雇用先が変わっても、仕事をやめても継続できる
HSAは「貯めてきたお金を年内に使わなかったら無くなる!」
と言うようなFSA(Flexible Savings Account)ではなく、
雇用先が変わっても、仕事をやめたとしても、継続してお金を入れることができます。
しかし、65歳になったら入れるMedicareに加入するまでです。
Medicareに加入すると同時に口座は保持できますが、
お金を入れることはできません。
個人的にも口座オープン可能
はい、雇用されていなくても、個人でHSA口座を開けることが可能です。
しかし、HSA口座を持つには、条件があります!!
それが一体なにか、見ていきましょう。
HSA口座をもてる条件
ズバリ「High Deductible Health Plan」に加入していることが絶対条件です!
HSAという言葉を知っておられる方なら、High Deductible Health Plan(以下、HDHPとします)はご存知かも知れませんね。
日本語でそのまま訳すと、「控除額が多めの健康プラン」です。
HDHPは、保険料自体は比較的安いけれど、保険でカバーされるまでの控除額が多めのプランです。
最低でも、独身の方で1400ドル、家族で2800ドルの控除額があるプランに入っていることが条件となります。(2021年)
プランによっては最高で、独身の方で7000ドル、家族で14000ドルも控除額がある場合もあります。(2021年)
では、どんな人にHDHPは向いているの?
基本的に健康的な方、
お医者さんに通う頻度が少ない方に向いています。
お医者さんに通う頻度が少ない方の方が、かかる医療費が格段に少ないため、
保険料が安いHDHPに入っていた方が良いとされています。
慢性的な病気などをかかえておられる方には向いていないとされています。
HSAをもつベネフィットは?
- 3つの節税ベネフィットがある!
- RMDがない!
- レシートを残しておけば、あとで請求できる!
- 65歳をすぎたら、何にでも使えるようになる!
では、一つずつ見ていきましょう。
3つの節税ベネフィットがある!
お金を入れるときも、お金を入れている間も、お金を引き出すときも、課税されません!
すごくないですか?
お金を入れるときに課税されない = 課税される前のお金(Pre-tax)を入れられる
お金を入れている間も課税されない = 毎年の配当金や利子、キャピタルゲインなどにも課税されない
お金を引き出すときも課税されない = 医療費である限り課税されない
ただし、医療費でないものに使うと20%のペナルティ+税金が課せられます。
RMDがない!
RMDとは、Required Minimum Distributionsの略です。
401kやTraditional IRAなどには、
「70歳半になったら口座からある一定の最低金額を絶対に引き出さないといけない」
というルールがあります。
HSAには、その「〇〇歳になったら絶対に引き出さないといけない最低金額のルール」がありません。
ということは、お金を永遠に育てることができるということです!
それはRoth IRAの口座も同じです。Roth IRAの記事にも詳しく書いています。
レシートを残しておけば、あとで請求できる!
例えば、かかった医療費のレシートを何年分も残しておいて、
お金がしっかり育ってから10年後などに返金してもらうことも可能なHSA。
その場合は、Form8889に記入してタックスリターン時に申告をします。
レシートの保存は個人の責任なので、しっかりと取っておかないといけませんが。
65歳をすぎたら、何にでも使えるようになる!
65歳をすぎたら、医療費に限らず、
HSA口座にあるお金を何に利用しても20%のペナルティがかからないので、
いわゆるRoth IRAのような投資口座になります。
もちろん、引き出すときも課税がかかりません。
HSAの注意点もあります!
ここまで嬉しい利点ばかりなのですが、注意点もあります。
それは、以下3点です。
- カリフォルニア州とニュージャージー州において、HSAは非課税対象でないこと。
- テネシー州とニューハンプシャー州はある一定の配当金や利子を超えると課税される。
- HSA口座の所有者が死亡した場合の相続先に要注意。
カリフォルニア州とニュージャージ州において、HSAは非課税対象ではない。
テネシー州とニューハンプシャー州はある一定の配当金や利子を超えると課税される。
テネシー州とニューハンプシャー州は、独身か夫婦かなどで、課税ルールがそれぞれ異なりますので、
それらの州にお住まいの方は専門の方へ要ご相談ください。
HSA口座の所有者が死亡した場合の相続先に要注意。
HSA口座は個人に属しているものなので、死亡後の相続先は明確にしておかないといけません。
HSA口座のお金が配偶者もしくはチャリティーに指定されておらず、別の人物に指定されていた場合は、
その人物の所得として加えられ、HSA分のお金は課税対象になってしまいます。
死亡してから12ヶ月以内であれば、医療費として利用することは可能ですが。
なので、ベストな相続人は税金がまったくかからない配偶者、もしくはチャリティーです。
HSA口座をオープンするには?
まずはご自分、ご家族で入られている保険がHigh Deductible Health Plan(HDHP)に入っているかどうかご確認ください。
雇用主がHSAを提供している場合は、雇用主にご確認ください。
雇用主がHSAを提供していない場合、ご自分でも口座を開設することができますが、
まず確認すべきポイントがあります。
確認項目
・加入している保険がHSA口座を提供しているプロバイダーとパートナーかどうか
・利用している銀行がHSA口座を提供しているかどうか
・HSAプロバイダーの手数料、利子、投資オプションはどうなっているか
外部サイトですがHSAプロバイダーはこちらの比較表がとてもわかりやすいのでぜひご覧ください。
まとめ
基本的には医療費用の貯蓄口座ですが、
投資用の口座として持てば、お金を増やせる一つの方法です。
わが家は、このHSAの口座を持ちたいがためにHDHPに切り替えたほどです。
しかし、比較的健康な人のための口座と言えるでしょう。
もし、わが家のように投資用の口座として持たれるのであれば、
HSAのベネフィットを最大限活かして、
入れたお金がしっかり育つよう、すぐに出さないことをオススメします。
わが家が2019年からHSAにお金を入れるようになってから、
すでに元本から約3,000ドル増えています。
HSA口座は活用次第では素晴らしい口座だと思うので、
HDHPをお持ちであれば、ぜひ検討していただきたい投資口座の一つです。
参考サイト:https://www.investopedia.com/articles/personal-finance/091615/how-use-your-hsa-retirement.asp
参考サイト:https://www.thebalance.com/what-is-high-deductible-health-insurance-2385898
参考サイト:https://www.cnbc.com/2019/03/20/how-to-open-and-use-a-health-savings-account.html